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今回は、水の「 硬度 」についてコラムを書かせていただきます。
ミネラルウォーターのボトルのラベルなどによく表示されている「硬度」。
軟水や硬水という言葉もよく耳にすると思います。
では硬度っていったいどのようなものなのでしょうか?今回は、
■ 硬度とは?
■ 硬度ってどうやって分析するの?
■ 硬水・軟水とは?
■ 硬度って地域によって違うの?
以上の内容についてご説明していきます!
■ 硬度とは?
硬度とは、水1L中に含まれるカルシウムやマグネシウムの量を、これに相当する炭酸カルシウム(CaCO3)に換算して数値で表したものです。
以下の式で計算されます。
硬度=(カルシウムの量×2.5)+(マグネシウムの量×4.1)
硬度が高いとせっけんの泡立ちが悪くなることから、硬度の水質基準は、300mg/L以下と定められています。また、おいしい水の要件の基準値は、10~100mg/Lとされています。
■ 硬度ってどうやって分析するの?
では、硬度はどのように分析するのでしょうか?弊社では2種類の方法で硬度を算出しています。
1.滴定
サンプルに試薬を添加して、0.01M EDTA液で滴定し、計算式により硬度を算出します。この方法では、全硬度として分析するため、カルシウムとマグネシウムの量がそれぞれどのくらい含まれているかはわかりません。
2.原子吸光分析法
カルシウムとマグネシウムの量を、原子吸光分光光度計という装置で測定し、計算式により硬度を算出します。この方法では、カルシウムとマグネシウムそれぞれで分析を行うため、ミネラルバランスを見ることができるのでおすすめです。
■ 硬水・軟水とは?
簡単に言うと、カルシウムとマグネシウムの量が少ないのが軟水、多いのが硬水となります。
WHOの基準では、硬度が0~60mg/L未満を「軟水」、60~120mg/L未満を「中程度の軟水」、120~180mg/L未満を「硬水」、180mg/L以上を「非常な硬水」というふうに分類されています。東京の水道水の硬度は60mg/L程度なので中程度の軟水になります。
硬度の低い水は口当たりが軽くてまろやかで飲みやすく、高い水は口当たりが重くてややクセがあります。
軟水はだしを取ったり、お米を炊いたり、煮物など和食に向いています。硬水はお肉の煮込みやパスタの茹で水に向いています。その土地の水に合った料理が作られてきたのですね。
■ 硬度って地域によって違うの?
硬度は地域により、数値が異なります。日本には軟水が多く、欧米では硬水が多いです。その理由は、地形の違いが関係しています。
欧米のように石灰質の地域を長い時間かけて通ってくる水の硬度は高くなり、日本のように地中を通る時間や河川の長さが短い場合は、硬度は低くなります。
ただし、関東は関東ローム層、沖縄は石灰岩の地層であることから、日本の中でも硬度の数値は少し高めです。
監修 : アムコン株式会社 分析事業部